Tour de France 2021 まもなく開幕、ジャン=クリストフ・スピノジの姿も!?

Tour de France 2021 まもなく開幕、ジャン=クリストフ・スピノジの姿も!?

ツール・ド・フランス 2021がまもなく開幕。で、たったいまチーム・プレゼンテーションを観ていたら、なんとジャン=クリストフ・スピノジが登場した。
  • 青澤隆明
    2021.06.25
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 Euro 2020のグループ・リーグが熱く終わって、ようやく休息の深夜、週末に開幕するTour de France 2021のチーム・プレゼンテーションをライヴ中継で観ているところ。コンサートはけっこう聴いているのにこの日記も滞りっぱなしで、いったいいつ書くんだって感じなので、いま書きます。他愛ないことですけど。

 今夏のツール・ド・フランスのグラン・デパールはブルターニュ。スタート地点ブレストでのチーム・プレゼンテーションでは、選手たちが続々登場する幕間に、現地のラッパーやダンススクールの子たちも次々と登場してくる。いかにも地元っぽく、手づくりの感じもご当地らしい。そのなかで、不意にジャン=クリストフ・スピノジの名が紹介されると、ヴァイオリンを愉快そうに弾き出した。アコーディオン奏者とのデュオで、自転車にちなんで「ビシクレット」という曲とか、「枯葉」とかをメドレーで弾き継いでいった。コルシカ生まれのスピノジはブルゴーニュに住んでいて、彼が創ったアンサンブル・マテウスも同地方が本拠のはず。だから地元の名士として、こうして陽気にくつろいで舞台に上がったに違いなく、気さくに愛されている感じがしたし、そういう音楽を肩ひじ張らずに楽しく聴かせた。

 ジャン=クリストフ・スピノジと言えば、日本のオーケストラでは2012年3月だったか、クリスティアン・アルミンク時代の新日本フィルを指揮して、胸のすくようなモーツァルトと「新世界」を鮮明に聴かせたのをくっきりと覚えている。だいぶ体格はまるくなったようだけれど、2022年の1月にもモーツァルトと今度はバーンスタインで新日本フィルの定期を指揮する予定が組まれているから、また楽しみがふえた。あのときは新日本フィルは40周年で、今度は50周年を祝うシーズンにあたる。祝祭のシーズンにふさわしい、いきのいい演奏が披露されることだろう。待ち遠しい。

 2012年といえば、le tourは第99回大会で、チーム・スカイが強さを誇り、ブラッドリー・ウィギンスが総合優勝、クリス・フルームが第2位となって、いろいろと賑やかに話題をふりまいた年だった。ペーター・サガンがマイヨ・ヴェール連覇の輝かしい始まりでもあった。いまチーム・スカイはイニオス・グレナディアーズにかわり、フルームも連勝時のチームから移った。それでも伝統のツールは続いていて、沿道には人々が熱く戻ってきている。

 そのように歴史は多種多様な才能と、支援と組織と運営と、そしてただただ愛するだけの無数の人々の情熱で脈々とつくられてきて、先々へと忘れ難い記憶をのばしていく。・・・と、そんなことを書いていたら、中継は終わった。また寝不足だ。
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