音楽を聴いたり、聴かなかったり。[prelude (bagatelle)]

音楽を聴いたり、聴かなかったり。[prelude (bagatelle)]

日々のこと。
  • 青澤隆明
    2020.04.01
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 音楽を聴いたり、聴かなかったりして、時が過ぎ、日々が過ぎる。月がめぐり、季節はめぐる。
 聴いた音楽にはどこか置き去りにされるように、聴かなかった音楽とは待ちぼうけをするように。
 
 音楽を聴くとき、ぼくたちはいくつもの時間を生きている。複層的というのだろうか、しかしそれらは溶けるように、浸透するように混じりあってくる。そのことが喜びでもある。 
 他者と自分の時間を重ねたり、すれ違わせたりするだけでなく、たとえば過去のように思えるくらい他者となった自分の時間も思い重ねたりする。どうあれ、音楽は生きた経験である。
 
 これからぼくは、どこからどこまで聴いて、どこからどこまで行ったり、行かなかったり、言ったり言わなかったりするのだろう。
 ぼくはどれだけ生きることができ、どれだけ生きずにいることになるのだろう。音楽のなかで、音楽の外で。音楽を忘れ、音楽に忘れられて、思い出すことと言えば、たぶん、きっと音楽のことばかりだ。

 そんなことをぼんやり思っていると、せっかくだから、もうちょっと日記っぽく書いてみたいような気持ちになってきたので、そんな感じもなにかしら試みてみたい。音楽を聴いたり、聴かなかったりして、そのうちにも時は経ち、ぼくは過ぎていくのだろうから。
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