《クラウス・マケラ指揮 パリ管弦楽団》来日直前特集!!へ
まだみえない、でも感じている。新しい年の訪れ。

まだみえない、でも感じている。新しい年の訪れ。

2023年になりました。CD◎Raphaël Imbert(sax), Jean Guihen-Quayras(vc), Pierre-François Blanchard(p), Sonny Troupé (d) “INVISIBLE STREAM” Original Compositions by Raphaël Imbert, Meet Lieder, Arias and Songs by Franz Schubert, Richard Wagner, Hans Eisler and Ornette Coleman [HMM, 2022 / KKC-6597]
  • 青澤隆明
    2023.01.01
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 新しい年がきました。カレンダーをめくるようになにかが変わるわけではないにしても、2023年がはじまります。こちらも少しずつ綴っていきます。よく考えたら「音楽日記」なのだから、日々の音楽の暮らしを好きに記せばいいのだと、いまさらながら思い出しました。きょうなにきいた、とか、どこいった、とか、なに思った、とか、そういう感じで、さらに気楽にやっていこうと思います。ということで、2023年もよろしくお願いいたします。

 ということで、新年早々に聴いたのは「サンデー・ソングブック」で、オールディーズ・ソングをたっぷり。それからいま、最初にかけているのは“INVISIBLE STREAM”というアルバム。チェロのジャン=ギアン・ケラスが、サックスのラファエル・アンベール、ピアノのピエール=フランソワ・ブランシャール、ドラムのソニー・トゥルーペとともに、2022年2月にドイツのエルマウ城でまとめた、じつに心地よい新作だ。

 ケラスとアンベールは2016年のエクサン・プロヴァンス音楽祭でも深く結びついたようで、ここではアンベールのオリジナル曲に、ワーグナー、シューベルト、オーネット・コールマン、ハンス・アイスラーを織り交わしていった。結びには、ピエール・バルーとレイモン・ル・セネシャルの「水の中のダイアモンド」を。

 全篇がひとつになって、ゆったりとした流れに溶け込み、遥かな歌に満ち溢れている。さまざまな歌を生きながら、どの楽器もいい声をしていて、音がとてもきれいなのだ。この場合、美しさとは澄んだ自在さのことでもある。自ずと心が広がっていく。みえない流れは、耳を澄ますことで、心を澄まし、さまざまに思いを馳せる気持ちを呼び覚ます。今年はどこへ旅に出ようか、といった思いが、夢のように滲み出てくる。とても自由な心持ちだ。しかし、儚くはない。
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