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ヴィキングルのヴァリエーション

ヴィキングルのヴァリエーション

ヴィキングル・オラフソンのこと(5) ヴィキングル・オラフソン&新日本フィルハーモニー交響楽団 (すみだトリフォニーホール)が、もうまもなく。
  • 青澤隆明
    2019.12.11
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 もうすぐコンサートか、と夕方くらいからそわそわした気持ちになるのは、いくつになってもやっぱり楽しい。
 ヴィキングル・オラフソンの弾く「ゴルトベルク変奏曲」を、ほんとうは全曲聴きたいけれど、きょうの夜のコンサートでは、そのアリアだけのようだ。
 それは、はじまりのアリアなのか、おわりのアリアなのか、そのどちらでもないアリアなのか。
 いずれにしても、そのアリアを弾いた後で、ヴィキングル・オラフソンがこの曲をめぐって話をするらしい。チラシにそう書かれている。変奏曲についての話だろうけど、なにか興味深いことがみつかるか。彼はそこでもクリアに、はっきりと発語し、はっきり明解な内容を、平明に聴衆へ伝えようとするに違いない。
 そこから、バッハのまたべつのアリアと変奏、そしてベートーヴェン最後のソナタへと、さらなる変奏を継いでいくことになる。演奏会の後半には新日本フィルとの共演で、モーツァルトのハ短調協奏曲が演奏されるが、その終楽章はもちろん変奏曲だ。
 アンコールにはもしかして、ゴルトベルクのアリアをもういちど弾くのだろうか。それほど素直にはいかないか。でも、そんな感じがするな。
  もちろん、これからさきも、ヴィキングル・オラフソンはさまざまな変奏曲を手がけていくだろう。そして、いつかはゴルトベルク変奏曲をレコーディングしたりもするのだろう。すると、ぼくたちはそれをくりかえし聴いたりするのだろう。
 人の生は、際限のない、そして容赦のない変奏である。
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