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朝のベートーヴェン

朝のベートーヴェン

芸劇ブランチコンサート〜清水和音の名曲ラウンジ〜第27回 「主役は豪華な管楽器」(2020年12月23日11時開演、東京芸術劇場) シューマン:3つのロマンス op.94より第2曲(Hr+Pf)、プーランク:ピアノ、オーボエ、ファゴットのための三重奏曲、ベートーヴェン:ピアノと管楽のための五重奏曲 op.16 オーボエ:𠮷村結実、クラリネット:伊藤圭 、ホルン:福川伸陽、ファゴット:水谷上総、ピアノ:清水和音
  • 青澤隆明
    2020.12.30
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 ベートーヴェンにとってピアノ・ソナタが革新の核だったとすれば、五重奏曲変ホ長調op.16での意欲はひとまず古典美の再興というところにあるのだろう。鍵盤と4つの管楽器のアンサンブルで、この日はピアノが清水和音、管楽器はオーボエは𠮷村結実、クラリネットが伊藤圭、ホルンは福川伸陽、ファゴットは水谷上総という編成。

 シューマンの「3つのロマンス op.94」第2曲のホルン版、プーランクの名品「ピアノ、オーボエ、ファゴットのための三重奏曲」に続いて、ベートーヴェンの五重奏曲がきても、管楽器の音色の光彩と巧みに溶け合うように奏でられるピアノは親しみやすく麗らかだった。中間楽章アンダンテ・カンタービレの自然な美しさと言ったらない。

 モーツァルトの同編成の名作が先行するが、ここでのベートーヴェンがみている澄明感には通じるところがあり、しかしベートーヴェンはやはりベートーヴェンだ。ただし、まだ若き日の、そして、朝の。こちらは、水曜の朝のベートーヴェンである。ピアニストがひとりで戦い抜いた「4大ピアノ・ソナタ」から一週間、こちらには人々と音楽する喜びが溢れていた。
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