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花火 か - ストラヴィンスキーからドビュッシー、そしてラヴェルへの前奏曲(青澤隆明)

花火 か - ストラヴィンスキーからドビュッシー、そしてラヴェルへの前奏曲(青澤隆明)

季節のうた、花火。ドビュッシーの「花火」、そしてラヴェルのピアノ協奏曲。CD◎サンソン・フランソワ (pf)、アンドレ・クリュイタンス指揮 パリ音楽院管弦楽団 (1959年録音、EMI/Warner)
  • 青澤隆明
    2021.09.10
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 さて、ドビュッシーである。ぼくにとって、「花火」といえばまず、ドビュッシーの『前奏曲集』第2集の終わりのこのピアノ曲だ。

 ちなみに、ドビュッシーの「花火」の始まりも、どこかストラヴィンスキーの「花火」に通じるように思えてならない。花火は花火なんだから、それはそうだろう、という気はするが、この点においてはかぶりをまったく気にしてはいない。少なくともわるいほうにはとっていない。

 さらに、ぼくの個人的な意見を言えば、ラヴェルのピアノ協奏曲の始まりもストラヴィンスキーの「花火」の始まりに、終楽章の始まりと終わりはその終わりによく似ている。たとえば、サンソン・フランソワとアンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団の1959年夏の録音などを聴くと、時代のにおいもあって、幕開けの雰囲気からしてとても近い感じがする。なにかのコンサートで両曲を続けて演奏すればいいのに、と思うくらい。

 もっとも、わりとシンプルな開始と終結のパターンだから、どうしたって似てしまうのかもしれないけれど、どうなんだろう? ストラヴィンスキーと、ドビュッシー、ラヴェルの間のことなのである。それはさておき、これらの曲に明滅する光の鮮やかさはどうしたって花火のように輝いてみえるし、ドンという音はどうしたってなにかの打ち上げ、あるいは打ち止めを想わせる。

 いずれにしても、20世紀初頭の光明と躍動という感じはとてもする。打ち上げ花火はいつできて、どのあたりから王宮を出でて市民の祭りにも使われるようになったのだろう?
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