現代最高のヴァイオリニストの一人でありながら、ヴィオラ奏者としても世界的な名声を誇る「二刀流」の巨匠、ジュリアン・ラクリン(Julian Rachlin)。リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との史上最年少ソリスト共演(14歳)で鮮烈なデビューを飾って以来、彼の深みのある音色は世界中の聴衆を魅了し続けています。
「深淵」を奏でるヴィオラの響き

ヴァイオリンとヴィオラ、両方弾く人は珍しいの?
ジュリアン・ラクリンの最大の特徴は、ヴァイオリンの華麗なテクニックと、ヴィオラの重厚な響きを完全に使いこなす点にあります。多くのソリストが「余技」としてヴィオラを弾くのに対し、彼は2000年からヴィオラ奏者としても室内楽や協奏曲を本格的に演奏しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 生年月日 | 1974年12月8日 |
| 出身 | リトアニア・ヴィリニュス |
| 師事 | ボリス・クシュニール、ピンカス・ズーカーマン |
| 教職 | ウィーン市立音楽芸術大学 ヴァイオリン科教授(1999年〜) |



2000年にはロストロポーヴィチ、バシュメトとペンデレツキの六重奏曲を初演しました
その演奏スタイルは、派手なパフォーマンスよりも「対話」を重んじます。室内楽の音楽祭を自ら主宰するなど、他の演奏家と密接に絡み合いながら音楽を作り上げる姿勢は、まさに「音楽家のための音楽家(Musician’s Musician)」と呼ぶにふさわしいものです。
ドゥブロヴニク音楽祭「ジュリアン・ラクリンと仲間たち」
2000年、クロアチアのドゥブロヴニクで自身の音楽祭「ジュリアン・ラクリンと仲間たち」を立ち上げました。アルゲリッチ、キーシン、マツーエフ、マイスキーといった長年の音楽パートナーたちと共演し、10年以上にわたり開催を続けています。
指揮者としての新たな地平



最近は指揮もしているって聞いたけど?
近年、ラクリンは指揮者としての活動も本格化させています。故マリス・ヤンソンスに指揮を学び、弦楽器奏者ならではの緻密な指示と、ウィーンの伝統を受け継ぐ優雅な解釈で高い評価を得ています。
シカゴ響、イスラエル・フィル、ウィーン響など世界の著名オーケストラに客演
- エルサレム交響楽団 音楽監督(イスラエル)
- クリスチャンサン交響楽団 首席指揮者(ノルウェー)
- トゥルク・フィルハーモニー管弦楽団 首席客演指揮者(フィンランド)
- ロイヤル・ノーザン・シンフォニア 首席アーティスティックパートナー(英国)



2021年からはアイゼンシュタットの「秋の金音楽祭」芸術監督も務めています
プレイヤーとして円熟期を迎えながら、指揮台でも新たな才能を開花させる彼から、今後も目が離せません。なお、ラクリンはユニセフのグッドウィル・アンバサダーとしても活動しています。









