読書におすすめのクラシックBGM!集中力が上がる15曲と選び方の基準

読書BGMにおすすめのクラシック音楽特集のアイキャッチ。集中できる曲の選び方とおすすめ15曲を紹介。

「クラシック音楽が読書にいいらしい」。そう聞いて検索したものの、作曲家も曲名も多すぎて選べない。そんな人は多いはずです。

この記事では、読書BGMとしてクラシック曲を選ぶ3つの基準と、本のジャンル別おすすめ15曲を紹介します。ただし、BGMが読書の妨げになるタイプの人もいます。音楽を流して「文章が頭に入ってこない」と感じたら、無音に切り替えてください。

迷う時間がもったいない人は、まず次の3曲から試してみましょう。

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目次

クラシック×読書BGM|まずはこの3曲から試す

読書BGMにおすすめの鉄板クラシック3曲。ドビュッシー「月の光」、バッハ「ゴルトベルク変奏曲」、サティ「ジムノペディ第1番」の特徴まとめ。

読書BGM、クラシックがいいって聞くけど何から聴けばいい?

編集部

迷ったらこの3曲を流せばOKです!

ドビュッシー「月の光」、バッハ「ゴルトベルク変奏曲」、サティ「ジムノペディ第1番」。この3曲はテンポ・編成・声楽なしの条件をすべて満たす、読書向きクラシックの鉄板です。

テンポはBPM60〜70前後で安定しています。ピアノ(またはチェンバロ)の独奏で音量差が小さく、人の声も入りません。クラシックに詳しくなくても抵抗なく聴けるうえ、読む本のジャンルを選ばない万能さがあります。

曲名作曲家BPM目安
月の光ドビュッシー約65
ゴルトベルク変奏曲J.S.バッハ約40〜80
ジムノペディ第1番サティ約66

ドビュッシー「月の光」──BPM65の万能曲

正式名称は「ベルガマスク組曲」(Suite bergamasque)第3曲「月の光」(Clair de lune)。BPM65前後のゆったりしたテンポで、どんな本にも合う万能BGMです。

読書向きの理由は、ピアノ独奏という編成にあります。オーケストラ曲のように、静かなパートから急に大音量へ切り替わる場面がありません。音量の変化がゆるやかなので、ページをめくる手が止まりにくいのです。

演奏時間は約5分。SpotifyやApple Musicでリピート再生すれば、30分でも1時間でもカバーできます。テンポが落ち着いているぶん、ループしても「また同じ曲が始まった」と感じにくい構造です。

なぜBPM65が読書に合うのか。安静時の心拍数に近いテンポだから、身体がリラックスしやすいためです。くわしくは次のセクションで解説します。

編集部

透明感のあるピアノタッチが特徴の公式音源です。5分間の静寂な時間を、まずこの曲で体験してみてください。

バッハ「ゴルトベルク変奏曲」──2時間超の長時間読書向き

長時間読書にぴったりのBGMってある?

J.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲 BWV 988」(Goldberg-Variationen)は、全曲通しで約70〜80分。リピートすれば2時間超の読書をBGM切れなしでカバーできます。

「アリア」と呼ばれる主題から始まり、30の変奏を経て再びアリアに戻る構成です。変奏ごとにテンポや雰囲気が切り替わるため、単調さで飽きることがありません。一方で、すべての変奏が同じバス(低音の進行)を共有しており、全体に一貫した流れが保たれます。

編集部

「飽きないのに邪魔にならない」を両立できる構造が強みです。

録音の選び方が重要

この曲にはチェンバロ版とピアノ版があります。読書BGMにはピアノ版がおすすめです。チェンバロは金属弦をはじく構造上、音がやや硬質でくっきりしています。意識が音に引っ張られやすく、読書の没入を妨げるケースがあります。

ピアノ版の定番録音はグレン・グールド(Glenn Gould)の1981年盤。テンポの揺れが抑えられており、BGMとして流しても存在感が出すぎません。グールドの1955年盤も有名ですが、テンポが速く演奏の個性が際立つため、「聴く」には最高でも「読書のBGM」には不向きです。

記事で紹介したグールド盤と並び、現代のピアノ録音として定評のある演奏です。静けさと集中をもたらすアリアの響きを、こちらの公式音源で試してみてください。

サティ「ジムノペディ第1番」──初心者が最初に聴く1曲

エリック・サティ(Erik Satie)「3つのジムノペディ」(Trois Gymnopédies)第1番は、クラシックになじみがない人の最初の1曲に最適です。

理由はシンプルで、この曲の構成が極端にシンプルだから。左手がゆっくり和音を刻み、右手がひとつの旋律を乗せるだけ。対位法や複雑な転調がないため、クラシックを聴き慣れていない耳でも「聴こうとしてしまう」引力が弱い。音楽が自然に背景へ退いてくれます。

サティ自身が提唱した「家具の音楽」(Musique d’ameublement)という概念は、BGMの先駆けです。部屋に置く家具のように、そこにあるけれど意識しない音楽。19世紀末にすでにこの思想を語っていました。

演奏時間は約3分と短いため、ループ再生が前提です。ただ、曲の始まりと終わりがおだやかにつながるため、リピートの切れ目が気になりにくい構造です。

編集部

まずこの1曲をループで20分ほど読書してみてください。集中できたら、ほかの曲にも広げてみましょう。

余計な感情を排した、淡々とした美しさ。サティが目指した「家具のような音楽」を体感できる演奏です。

読書の邪魔にならないクラシック曲の選び方3基準

読書を邪魔しないクラシック曲を選ぶ3つの基準。テンポはBPM60〜80、編成は独奏か室内楽、声楽なしの曲を選ぶことがポイント。

クラシックを流せば集中できるって本当?

編集部

半分正解で半分誤解です。選び方を間違えると逆効果になります。

まず2つの前提を押さえてください。

「モーツァルト効果」を過信しない

1993年、Rauscherらが「モーツァルトを聴くと空間認知能力が一時的に上がる」とNature誌で報告しました。ここから「クラシック=頭が良くなる」というイメージが広まっています。

Nature誌に掲載されたモーツァルト効果に関する論文(1993年)
引用:Music and spatial task performance | Nature

しかし、この効果は10〜15分しか持続しません。1999年にChabrisが同じくNature誌に発表したメタ分析では、効果は空間推論の一部に限定され、当初の報告より大幅に小さいと結論づけています。

さらに2010年、Pietschnigらが約3,000人を対象にした大規模メタ分析を実施。効果量は小さく(d=0.37)、出版バイアスの影響も指摘されました。「クラシックを聴けば集中力が上がる」と過信しないでください。

BGMが逆効果になる人もいる

読書は文章を理解する高度な言語処理です。音楽が流れると脳が聴覚情報も同時に処理しようとするため、認知負荷が上がります。

音楽を流して「文字を2回読み直す回数が増えた」と感じたら、BGMが合っていないサインです。無音に切り替えてください。

そのうえで、BGMが「邪魔にならない」条件を満たすクラシック曲を選ぶ基準は、テンポ、編成、声楽の有無の3つです。

テンポ──BPM60〜80が心拍数に近くリラックスを誘う

読書BGMに使うクラシック曲は、BPM60〜80の範囲で選んでください。このテンポ帯が推奨される根拠は、安静時の心拍数(60〜100回/分)との同期にあります。

人間の身体は、外部のリズムに無意識で同調する性質を持っています。これは「引き込み現象」(entrainment)と呼ばれるものです。BPM60〜80の音楽を聴くと、心拍がそのテンポに引き寄せられ、呼吸が深くなります。

編集部

脳波がアルファ波優位になりやすく、リラックスしながら意識はクリアな状態をつくれます。

逆に、BPM80を大きく超える曲は読書を邪魔しやすくなります。

曲名BPM適性
ドビュッシー「月の光」約65
ショパン「ノクターン第2番」約69
ベートーヴェン「運命」第1楽章約108×
チャイコフスキー「花のワルツ」約108×

ベートーヴェンの交響曲第5番「運命」第1楽章はBPM108前後。冒頭の「ジャジャジャジャーン」が読書中に聞こえてきたら、本の内容は一瞬で吹き飛びます。

自分で曲を探すとき、テンポを調べたいならSongBPMTunebatが便利です。曲名や演奏者名を入力すれば、配信楽曲のBPMを確認できます。

楽曲のテンポを検索できる無料サイト「SongBPM」のトップページ
引用:Find the BPM and key for any song | Every song, every tempo | SongBPM

編成──独奏か室内楽で音量差が小さい曲を選ぶ

オーケストラのクラシックはダメなの?

読書BGMには、ピアノ独奏、弦楽四重奏、バロック期の室内楽のように音量差が小さい編成の曲が向いています。

「クラシック=オーケストラ」というイメージを持つ人は多いですが、フルオーケストラの交響曲や協奏曲は読書BGMには不向きです。理由は、ダイナミクス(音量の強弱幅)が極端に大きいから。ピアニッシモで繊細に奏でていた弦楽器が、次の小節でフォルテッシモに切り替わる。この落差が集中を断ち切ります。

編集部

ピアノ独奏や弦楽四重奏なら、音量差が小さく安定しています。

ピアノ独奏の音量幅はピアノからメゾフォルテ程度。弦楽四重奏(ヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロ)も、4人の奏者がバランスを取りながら演奏するため、突発的な音量変化が起きにくい構造です。

バロック期(1600〜1750年頃)の室内楽も読書BGM向きです。通奏低音(チェンバロやチェロが一定のリズムで低音を刻み続ける手法)が基盤になっているため、曲全体のテンポと音量が安定しています。

声楽の有無──オペラとリートは除外する

「クラシック=歌詞がない」は誤解です。オペラ、リート(歌曲)、カンタータには人の声が入ります。声楽曲は読書BGMから除外してください。

人の声が読書を妨げるメカニズムは明確です。読書は脳の言語処理系を使う行為。そこに人の声(言語情報)が加わると、文章と歌詞の2つを同時に処理しようとして干渉が起こります。

歌詞つきBGMと作業パフォーマンスの研究

2009年に人間工学誌(日本人間工学会)に掲載された研究では、歌詞のある音楽を聴きながら文章課題に取り組んだ被験者は、歌詞なし条件に比べて誤答率が高くなることが示されました。

また、USENと昭和女子大学・池上真平准教授の共同実験では、なじみのある日本語歌詞のBGMは計算・記憶課題のパフォーマンスを低下させ、なじみの薄いインストゥルメンタル曲はパフォーマンスを高めるという結果が出ています。

USENと昭和女子大学によるBGMの歌詞と作業効率に関する実験結果グラフ
引用:音空間デザインラボ|BGMが集中度に与える効果

合唱曲でも、歌詞がラテン語やドイツ語ならば干渉は比較的小さくなります。ただし「ゼロ」にはなりません。人の声は言語として認識されなくても、音色として意識を引きやすい。原則として声楽曲は除外してください。

どうしてもミサ曲やレクイエムを流したいなら、音量をふだんより下げて試す程度にとどめましょう。

読む本のジャンル別|クラシック読書BGMおすすめ15曲

本のジャンル別おすすめクラシックBGMリスト。小説にはバロック、ビジネス書にはピアノソナタ、学術書にはミニマル・ミュージックが最適。

読む本のジャンルによっておすすめの曲は変わる?

編集部

変わります!小説、ビジネス書、学術書で相性のいい曲が違いますよ。

前のセクションで紹介した3つの基準(BPM60〜80、独奏or室内楽、声楽なし)を当てはめ、本のジャンルごとに最適な15曲をリストアップします。冒頭で紹介した「月の光」「ゴルトベルク変奏曲」「ジムノペディ第1番」はカウントに含めていません。

小説×バロック音楽5選(バッハ、ヴィヴァルディ他)

小説を読むときは、バロック音楽がもっとも相性がいい編成です。バロック音楽特有の規則的な拍子と通奏低音の安定感が理由です。

物語の世界に没入するには、音楽が「流れている」けれど「主張しない」状態が理想。バロック音楽は拍子が均等に刻まれ、低音パートが一定のリズムを保ち続けるため、意識が音楽に引きずられにくい構造を持っています。

前述のゴルトベルク変奏曲もこのカテゴリに入ります。以下はそれ以外の5曲です。

曲名作曲家BPM目安
無伴奏チェロ組曲 第1番 プレリュード BWV 1007J.S.バッハ約66
「四季」より「春」第2楽章ヴィヴァルディ約60
カノン ニ長調パッヘルベル約64
「水上の音楽」第2組曲 エアー HWV 349ヘンデル約60
ターフェルムジーク 第1集 序曲テレマン約72

バッハ「無伴奏チェロ組曲」

バッハ「無伴奏チェロ組曲」(Suiten für Violoncello solo)は、チェロ1本だけで演奏されるため音量の変動がほぼありません。全6番・全36曲を通して聴くと約2時間20分。長編小説にちょうどよい長さです。プレリュードだけを選んでループする使い方もできます。

チェロの低音が心地よく響き、小説の世界観を深めてくれます。ヨーヨー・マによる決定版の演奏です。

ヴィヴァルディ(Antonio Vivaldi)「四季」

ヴィヴァルディ(Antonio Vivaldi)「四季」は全楽章を通すとテンポの速い楽章もあるため注意が必要です。読書向きなのは「春」第2楽章。ヴァイオリンのおだやかな旋律がBPM60前後をキープします。第1楽章や「夏」第3楽章はBPM100を超えるため避けてください。

編集部

「四季」は楽章の選び方がポイントです!

こちらが「春」の第2楽章です。有名な冒頭部分とは全く違う、まどろむような静けさを確認してください。

パッヘルベル(Johann Pachelbel)「カノン」

パッヘルベル(Johann Pachelbel)「カノン」は、同じ低音進行の上に3本のヴァイオリンが順番にメロディを重ねていく構造。ループ的な反復が読書BGMに向いています。ポップスアレンジ版はテンポが速い場合があるため、バロック楽器で演奏されたオリジナルに近い録音を選んでください。

現代の楽器ではなく、作曲当時の「古楽器」による演奏です。素朴で優しい響きが、読書の邪魔をしません。

ヘンデル(Georg Friedrich Händel)「水上の音楽」のエアー

ヘンデル(Georg Friedrich Händel)「水上の音楽」のエアーは、弦楽器中心のおだやかな楽章です。室内楽的な響きが小説の世界を静かに包みます。

弦楽器の層が厚く、包み込むような安心感があります。ゆったりとした読書タイムに最適です。

テレマン(Georg Philipp Telemann)「ターフェルムジーク」(Tafelmusik)

テレマン(Georg Philipp Telemann)「ターフェルムジーク」(Tafelmusik)は、文字どおり「食卓で流す音楽」として18世紀に作曲されたBGMの元祖です。全集で約3時間と長尺。テンポの速い楽章もあるため、序曲やアダージョ楽章だけをプレイリスト化するのがおすすめです。

かつて宮廷の食卓で流れていた「元祖BGM」。その心地よい距離感を、こちらの動画で試してみてください。

ビジネス書×ピアノソナタ5選(ショパン、ドビュッシー他)

ビジネス書を読むときのBGMは何がいい?

ビジネス書は論理的な文章を追うため、感情を大きく揺さぶらないピアノ独奏曲が適しています。オーケストラの壮大さやオペラのドラマティックな展開は、ロジカルな読解を邪魔します。

前述の「月の光」「ジムノペディ第1番」もビジネス書と好相性ですが、ここでは別の5曲です。

曲名作曲家BPM目安
ノクターン第2番 変ホ長調 Op.9-2ショパン約69
アラベスク第1番ドビュッシー約72
亡き王女のためのパヴァーヌラヴェル約54
即興曲 Op.90-3 変ト長調 D899シューベルト約66
愛の夢 第3番リスト約52

ショパン(Frédéric Chopin)「ノクターン第2番」

ショパン(Frédéric Chopin)「ノクターン第2番」は、クラシック入門曲として圧倒的な知名度を持ちます。BPM69前後のおだやかなテンポに、甘すぎないメロディライン。「あ、この曲知ってる」と一瞬意識が向いても、すぐにBGMに戻ってくれるなじみやすさがあります。

ショパンのノクターン全21曲のなかにはテンポの速い曲やドラマティックな曲もあります。「ノクターン」と名がつけばすべてBGM向きというわけではありません。

編集部

甘すぎず、重すぎない。ショパンの演奏において「模範」とされるルービンシュタインのピアノです。

ドビュッシー(Claude Debussy)「アラベスク第1番」

ドビュッシー(Claude Debussy)「アラベスク第1番」(Première Arabesque)は、流れるような16分音符のアルペジオが続く曲です。水が静かに流れるような音の連なりが、視線を本に留めたまま心地よい音の層をつくります。

流れる水のようなピアノの音色。この一定のリズムが、思考をスムーズに導いてくれます。

ラヴェル(Maurice Ravel)「亡き王女のためのパヴァーヌ」

ラヴェル(Maurice Ravel)「亡き王女のためのパヴァーヌ」(Pavane pour une infante défunte)は、BPM54と今回紹介する曲のなかでもっとも遅い部類です。テンポが遅すぎると眠気を誘うリスクがあるため、午後の眠い時間帯には避けたほうがよいかもしれません。逆に、夜寝る前の読書にはぴったりです。

編集部

寝る前の読書タイムに試してみてください。

極めてゆっくりとしたテンポで奏でられる、夜の読書のための演奏です。

シューベルト(Franz Schubert)「即興曲 Op.90-3」

シューベルト(Franz Schubert)「即興曲 Op.90-3」(Impromptus D899-3)は、全体を通しておだやかなアルペジオが続き、感情の起伏がほとんどない曲です。「空気のように存在する音楽」を体感したいなら、この曲を試してください。

息の長い旋律が、静かに淡々と歌われていきます。空気のように自然なピアノ曲です。

リスト(Franz Liszt)「愛の夢 第3番」

リスト(Franz Liszt)「愛の夢 第3番」(Liebesträume Nr.3)は、タイトルからロマンティックな印象を受けますが、実際のテンポはBPM52程度とかなりゆったり。中間部でやや盛り上がるものの、全体の音量差はピアノ独奏の範囲内に収まります。

編集部

タイトルは情熱的ですが、曲調はとても穏やか。辻井伸行さんの優しい音色でどうぞ。

学術書×ミニマル系クラシック5選(サティ、グラス他)

学術書は認知負荷が高い。BGMには旋律の主張が極力弱く、環境音に近い音楽が必要です。ここでは反復構造を特徴とするミニマル・ミュージック(現代クラシック)を中心に5曲を選びました。

ミニマル・ミュージックは短いフレーズをくり返しながら、少しずつ変化させていく手法です。意識に引っかかりにくい反復パターンが、高い集中状態の維持を助けます。前述のジムノペディ第1番も学術書と好相性ですが、ここでは別の5曲です。

曲名作曲家BPM目安
メタモルフォシスフィリップ・グラス約60〜70
グノシエンヌ第1番エリック・サティ自由テンポ
On the Nature of Daylightマックス・リヒター約63
Spiegel im Spiegel(鏡の中の鏡)アルヴォ・ペルト約60
Divenireルドヴィコ・エイナウディ約72

フィリップ・グラス(Philip Glass)「メタモルフォシス」

フィリップ・グラス(Philip Glass)「メタモルフォシス」(Metamorphosis)は、ミニマル・ミュージックの代表的なピアノ作品です。同じ音型がくり返されながら、和声がほんの少しずつ変化していく。「何か鳴っているけれど、何だったか思い出せない」。そのくらい控えめな存在感が、学術書の読解を邪魔しません。全5曲で約25分、2周すれば50分の集中セッションをカバーできます。

淡々とした反復が、深い集中ゾーンへ誘います。全5曲をまとめた動画ですので、そのまま流してお使いください。

サティ「グノシエンヌ第1番」

サティ「グノシエンヌ第1番」(Gnossienne No.1)は、ジムノペディと同じサティの作品ですが雰囲気はやや異なります。拍子記号がなく、演奏者が自由にテンポを揺らすのが特徴。浮遊感のある不安定さが、かえって思考を内向きにしてくれます。

編集部

グノシエンヌは「拍子がない」のがユニークな点です。

拍子のない、不思議な浮遊感。「考える」作業に寄り添う、哲学的な響きです。

マックス・リヒター(Max Richter)「On the Nature of Daylight」

マックス・リヒター(Max Richter)「On the Nature of Daylight」は映画「メッセージ」(Arrival, 2016)のサウンドトラックとしても知られる弦楽作品です。同じフレーズが弦楽器のレイヤーで重なっていき、約6分間ゆっくりと膨らんでいきます。

映画音楽としても有名な現代の名曲。低い弦の音が重なり合い、深い思索の時間をつくります。

アルヴォ・ペルト(Arvo Pärt)「鏡の中の鏡」

アルヴォ・ペルト(Arvo Pärt)「鏡の中の鏡」(Spiegel im Spiegel)は、ピアノが淡々とアルペジオを刻み、その上をヴァイオリン(またはチェロ)が長いフレーズで歌う作品です。音の数が極端に少なく、沈黙の間が多い。「考えながら読む」状況で、音楽が思考の邪魔をしません。定番録音はECMの「Alina」(1999年)に収録されたウラディーミル・スピヴァコフ(Vladimir Spivakov)のヴァイオリン版です。

編集部

記事でおすすめしたスピヴァコフ本人の演奏です。音と音の間の「静寂」を聴く体験をしてみてください。

ルドヴィコ・エイナウディ(Ludovico Einaudi)「Divenire」

ルドヴィコ・エイナウディ(Ludovico Einaudi)「Divenire」はイタリアの現代クラシック作曲家による作品です。後半はオーケストラが加わり音量が大きくなるため、冒頭のピアノソロ部分だけをプレイリストに組む使い方が現実的です。

イタリアの巨匠エイナウディの代表曲。静かなピアノの導入部が、集中へのスイッチになります。

マックス・リヒターとルドヴィコ・エイナウディは、ジャンルとしてはポスト・クラシカル(ネオ・クラシカル)に分類されます。純粋なクラシック音楽にこだわりたい場合は、グラス、サティ、ペルトの3曲を中心にしてください。

Spotify・Apple Music・YouTubeでクラシック読書BGMを探す手順

15曲がわかったけど、どうやって再生すればいい?

編集部

Spotify、Apple Music、YouTubeそれぞれの探し方を紹介します。

Spotifyの検索コマンドとフィルター設定

Spotifyでクラシック読書BGMを探すなら、公式プレイリストから入るのが最速です。検索バーに以下のキーワードを入力してみてください。

  • 「classical reading」:読書向けクラシック曲を集めたプレイリスト
  • 「classical focus」:集中作業向けのクラシック曲。読書にもそのまま使える
  • 「peaceful piano」:ピアノ独奏曲中心のプレイリスト

とくにおすすめは次の2つです。

プレイリスト名特徴
Peaceful Pianoピアノ独奏曲中心。ネオ・クラシカル系も含む
Classical Focusバロックからロマン派まで集中向き曲を厳選

自分だけのプレイリストを作る場合は、この記事の15曲を曲名で検索し「いいね」→「プレイリストを作成」でまとめてください。テンポの遅い曲から速い曲へ並べると、読書開始時のリラックス導入がスムーズです。

Apple Musicの「読書用クラシック」プレイリスト活用法

Apple Musicのクラシック専用アプリ「Apple Music Classical」公式サイト
引用:‎Apple Music Classical – Webプレイヤー

Apple Musicユーザーは、クラシック専用アプリ「Apple Music Classical」を使うと検索精度が格段に上がります。

Apple Music Classicalは、Apple Musicのサブスクリプションに追加費用なしで利用できるクラシック音楽専門アプリです。App StoreまたはGoogle Playストアからダウンロードし、Apple Musicと連携させるだけで使えます。

通常のApple Musicで検索するのと何が違うの?

通常のApple Musicアプリで「ベートーヴェン 運命」と検索すると、J-POPの同名曲まで混在します。Apple Music Classicalなら「交響曲第5番 ハ短調 Op.67」の録音だけが正確に表示されます。作曲家名、作品番号(BWV、Op.)、楽器、指揮者での絞り込みにも対応しています。

読書BGM用の曲を探す手順は以下のとおりです。

  1. Apple Music Classicalアプリを開く
  2. 下部の「検索」タブをタップ
  3. 作曲家名(例:Debussy)を入力し、作曲家ページを開く
  4. 「人気作品」から目的の曲を選び、録音リストを確認
  5. 気に入った録音を「ライブラリに追加」
編集部

「見つける」タブの「Relaxing Piano」「Baroque Essentials」も読書向きです。

参照:Apple Music Classical ユーザガイド(Apple公式)

YouTubeは広告中断に注意──Premiumか事前DLが前提

YouTube Premiumの特典(広告なし・オフライン再生・バックグラウンド再生)
引用:YouTube Premium – YouTube

無料版YouTubeは広告が数分おきに挟まるため、読書BGMには致命的です。

30分のクラシック動画を再生しても、途中で5秒〜15秒の動画広告が2〜3回入ります。集中しているときに突然CMのような音声が流れれば、没入が一撃で崩壊します。

YouTubeでBGMを使うための対策

  • YouTube Premium(月額1,280円・Web/Android経由):広告なし+バックグラウンド再生対応。スマホの画面を消しても音楽が流れ続ける
  • YouTube Music(YouTube Premiumに含まれる):音楽に特化したアプリ。バックグラウンド再生対応
  • 事前ダウンロード:YouTube Premiumに加入するとオフライン保存が可能。Wi-Fi環境で保存しておけば電波のない場所でも再生できる

「作業用BGM クラシック」で検索すると長尺動画が大量にヒットしますが、著作権フリー音源を使った動画は録音品質にばらつきがあります。音がこもっていたりノイズが入っていたりすると、読書中に「気になる」原因になります。

対策としては、以下の公式チャンネルから選ぶのが安全です。

  • Deutsche Grammophon(ドイツ・グラモフォン):世界最大級のクラシックレーベルの公式チャンネル
  • Halidon Music:クラシック系コンピレーション動画を高音質で多数公開
  • Score(スコア):映画音楽やクラシック曲を高品質にまとめたチャンネル
編集部

実際にHalidon Musicが公開している「読書用クラシック」のコンピレーション動画です。再生時間が長く、作業用BGMとしてそのまま利用できます。

※YouTube Premiumの料金はWeb/Android経由の場合です。iOSアプリ経由で申し込むとApple手数料が上乗せされ月額1,680円になります。ブラウザからの登録がおすすめです。

クラシック読書BGMの気になる疑問

カフェなど周囲の音がある環境でも効果はある?

カフェでクラシックBGMを流しても意味ある?

カフェで使うなら、まずノイズキャンセリングイヤホンで外音を遮断してからにしてください。

カフェの環境音は平均して約65〜70dB。会話や食器の音、ドアの開閉音が断続的に発生します。この環境音の上にクラシック曲を重ねると、2つの問題が起こります。

カフェ×BGMで起こる2つの問題

  1. テンポの干渉:環境音にはリズムがなく、クラシック曲は一定のテンポで進む。2つの音が混ざると脳がどちらに同期すべきか混乱し、リラックス効果が薄れる
  2. 音量の引き上げ:騒音に負けないようBGMの音量を上げると「BGM」ではなく「音楽鑑賞」になる。読書への注意が音楽に持っていかれる本末転倒な状態
編集部

ノイキャンで外音をカット→小さめの音量でBGM、の順番が正解です。

ノイズキャンセリングイヤホン(AirPods Pro、SONYのWF-1000XMシリーズ、BOSEのQuietComfortシリーズなど)を使えば、カフェの環境音を大幅にカットできます。外音を遮断したうえで、小さめの音量でクラシック曲を流してください。

もうひとつの選択肢は、BGMを流さずカフェの環境音だけで読書すること。約70dBの環境音はホワイトノイズに近い効果を持ち、適度な雑音がかえって集中を助けるケースもあります。BGMが必須と思い込まず、柔軟に試してみてください。

イヤホンとスピーカーどちらが集中しやすい?

イヤホンとスピーカー、どっちがいいの?

自宅ならスピーカー、外出先ならノイズキャンセリングイヤホンが最適です。それぞれの特性を比較します。

項目イヤホンスピーカー
BGM感やや低い(耳元で鳴るため存在感が強い)高い(部屋全体に音が広がり自然)
長時間使用耳への圧迫で2〜3時間が限度身体への負荷なし
外出先×
編集部

スピーカーは音が空間に広がるので「BGM感」が高いのがメリットです。

スピーカーの利点は「BGM感」の高さです。音が空間に広がるため、音楽が「どこかから鳴っている」感覚になり、意識を持っていかれにくくなります。イヤホンは耳の中で直接鳴るため、音楽の存在感がどうしても強くなります。

音量の目安は、会話が聞こえる程度のおおむね40〜50dB。スマホやPCの音量スライダーで3割〜4割程度に抑えるイメージです。「あれ、音楽流れてたっけ?」と一瞬忘れる程度が、読書BGMとしてちょうどよい音量です。

イヤホンを長時間使う場合は注意が必要です。WHOは「音楽の聴取は音量60%以下で1日60分以内」を推奨しています。2〜3時間つけっぱなしにするなら、1時間ごとに5分の休憩を挟んで耳を休ませてください。

※配信情報は記事執筆時点のものです。最新の配信状況は各サービス公式サイトでご確認ください。

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この記事を書いた人

Medici Arts Guide 編集部のアバター Medici Arts Guide 編集部 舞台・芸術配信専門ライター

Medici Arts Guide 編集部 オペラ、クラシック、舞台芸術に造詣が深い専門ライター陣で構成。最新の動画配信(VOD)情報をはじめ、ライブ配信視聴ガイドなど、「劇場の感動を自宅で再現する」ための一次情報を発信しています。

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